こんにちは、仲町歯科医院の義永昌也です。
小さなお子さんの歯磨剤(歯磨き剤、ハミガキ粉とも言います。以下 歯磨き粉と表記)どんな種類があるのか、また、何を基準に選べば良いのか分からない人も多いかと思います。
今回は0~5歳のお子さんを中心に、子ども用の歯磨き粉の正しい選び方・使い方・市販で入手可能な商品一覧をまとめました。
また、6歳以上のお子さん向けのおすすめ歯磨き粉も紹介してます。
正しい選び方を知っておくことで、むし歯予防効果を高められますし、お子さんが嫌がらずに歯磨き習慣を続ける一助になれば幸いです。
→ 大人向けの歯磨剤の選び方・一覧はこちら
ポイント1. フッ素濃度900~1000ppm(0~5歳)
フッ素(フッ化物)は
① 歯が溶けにくくなる(耐酸性の向上)
② 歯を強くする(再石灰化の促進)
③ 菌を弱らせる(酸産生の抑制)
という機序でむし歯予防に効果があります。
5歳以下の子どもには濃度が900~1000ppmの間で記載されているものを選びましょう。
ただ、表記がないもの、表記が小さくて分かりづらいもの、メーカーに問い合わせをしないと確認できないものがあるため、正しく選ぶのはなかなか難しいかと思います。
以下に、ドラッグストアやネット通販で購入可能な900~1000ppmの子供向け歯磨き粉をリストアップしています。参考にしてください。(一部、記載がなく濃度不明の商品もあります。)
6歳以上は大人と同じ1,450ppmの高濃度の歯磨き粉を使いましょう。
ポイント2. 使用量
0~2歳までは米粒程度、3~5歳はグリーンピース程度が基準です。
6歳以上は大人と同じで、1.5~2cmと言われています。
年齢 | 濃度 | 使用量 |
---|---|---|
0〜2歳 | 900〜1000ppm | 米粒程度(1〜2mm) |
3〜5歳 | 900〜1000ppm | グリーンピース程度(5mm) |
6歳以上 | 1450ppm | 歯ブラシ全体(1.5〜2cm) |
Q. フッ素は体に悪影響ないの?
フッ素は歯や骨の形成に必要な必須栄養素(ミネラル)の1つで、魚介類、牛肉、お茶といった一般的な食品にも含まれており、日常的な食事で摂取しています。
ただし、水や塩などと同様に、過度に取ることで体に悪影響があります。(例えば、水は一度に飲みすぎると吐き気や失神を起こしますし、塩は長期的に取りすぎると高血圧などの原因になります。)
フッ素入り歯磨き粉に含まれる量は国が安全性を確認した範囲におさまっており、むし歯予防に効果がありながら、体に悪い影響が出ないように決められた量です。
0~3歳頃は、吐き出しがうまく出来ない(もしくは全く出来ない)ため、「使った量が全部 体に入って心配」と思うかもしれませんが、それも想定して十分な安全を確保した上で量や濃度を決めています。
フッ素をうまく活用することでむし歯になりにくい口の環境をつくることができるため、適正な量を守って安心して使用してほしいです。
Q. 6歳以上の子どもは何を使えばいいの?
6歳になったら、大人と同じ1450ppmの歯磨き粉の使用が勧められています。
しかし、1450ppmの歯磨き粉は「ミント系が強く爽快感がある、スースー感が強い」大人向けの商品が大半であり、小さな子どもにとって「からい、味が好きではない」ことが多いです。
以下に、子どもでも使いやすいと評判の1450ppmの濃度の商品を上げています。
6歳以上の子どもだけでなく、歯磨き粉の味が苦手な大人や、つわりで歯磨きがしにくくなった妊婦さんなどにもおすすめの商品です。
おすすめ1:チェックアップ ジェル(ミント)

チェックアップジェル ミント
甘さ控えめ。ミントの爽やかさも多少ありますが、使いやすいです。
ジェルが流れやすい(歯ブラシに乗せたときにサラッとしやすい)特徴があり、量が少なめになりやすいので注意です。
ネット参考価格:1本あたり500~600円(75g)
おすすめ2:New リカル プレミアムグレープ

New リカル プレミアムグレープ
グレープ味。ジェルタイプで泡立ち少なく、ミント感や刺激少なめ。
ネット参考価格:1本あたり800~900円(70g)
おすすめ3:New リカル ピーチミント

New リカル ピーチミント
当院で取り扱いあり。ジェルタイプで泡立ち少なく、刺激少なめ。ピーチ味。
ネット参考価格:1本あたり700~900円(70g)
おすすめ4:ソダテコこどもハミガキ ソフトミント

ソダテコこどもハミガキ ソフトミント
「6歳以上の子ども向け、1450ppm配合」の商品自体がそもそも少ないのですが、市販で買える商品がこちらです。
ペーストタイプの商品であり、ジェルタイプの上記3商品と比べると泡立ちやミント感がありますが、一般的な大人向けと比較すると使いやすいと思います。
手に入れやすい価格設定になっています。
店舗価格 300円程度(70g) (2025年10月現在)
最後に:好みはさまざま
歯磨き粉の味やパッケージ、歯ブラシの色など、子どもの好みはさまざまです。
無理に一つに決めず、いくつか試して「これがいい」を見つけたり、選んでもらうのも楽しいかもしれません。
あとは濃度と量に注意して選びましょう。
参考になれば幸いです。
参考:
厚生労働省 ~健康づくりサポートネット~
PDFリンク→フッ化物配合歯磨剤の推奨される利用方法(4学会合同のガイドライン)
→ 1450ppmの歯磨き粉についてはこちら(ブログ)