みなさんこんにちは!
周智郡森町・仲町歯科医院 院長の義永です。
今回は、小学生のお子さんをお持ちの保護者の方にぜひ知っていただきたい「姿勢と歯の関係」についてお話しします。
最近、姿勢が悪い子が増えていると感じませんか? 実はその姿勢の悪さ、歯並びや噛み合わせ、さらには健康全体にまで影響を及ぼすことがあるんです。
たとえば猫背や、顎を前に突き出した姿勢は、咬み合わせや顎の発育に悪影響を与える可能性があります。こうした姿勢が原因で口呼吸になってしまう子もいます。姿勢が前かがみになることで舌が下がり、気道が狭くなってしまい、鼻呼吸がしにくくなるのです。
その結果、口が乾きやすくなり、虫歯や歯周病のリスクが高まるだけでなく、睡眠の質が下がったり、集中力が落ちたりといった問題にもつながります(日本小児歯科学会, 2020)。
私たち仲町歯科医院では、定期検診のときにお口の中だけでなく、お子さんの姿勢にも目を向けています。そして、気づいたことは保護者の方にしっかりフィードバックしています。
特に幼児期から学童期は、姿勢とお口の機能が密接に関係しているため、家庭でのちょっとした意識がとても大切なんです(岡山大学病院小児歯科, 2019)。
そこでおすすめしたいのが「立腰(りつよう)教育」です。これは、腰骨を立てて背筋を伸ばす、基本の姿勢を意識する練習です。この姿勢を身につけることで、腹筋や背筋が自然と鍛えられ、呼吸が深くなったり、集中力や感情の安定にもつながったりします。
お口の周りの筋肉にもよい影響があり、舌の位置が正しくなったり、口を閉じる力がついたりして、歯並びや発音にもいい効果が期待できます(腰塾・森信三記念館, 2021)。
毎日の生活の中で、たとえば椅子に座るときに背もたれに頼らず、自分の力で背筋を伸ばして座るように声がけしてみてください。ほんの少しの意識の変化が、将来の健康につながる大きな一歩になります(文部科学省, 2018)。
姿勢の良し悪しは見た目だけの問題ではなく、お子さんの心や体の健やかな成長に深く関わる大切な要素です。歯科医として、これからも地域の皆さんと一緒に、お子さんたちの健やかな発育をサポートしていきたいと思っています。
【引用文献】
1. 日本小児歯科学会(2020)『口呼吸と小児の健康』
2. 岡山大学病院小児歯科(2019)『子どもの口腔機能発達と姿勢の関係』
3. 腰塾・森信三記念館(2021)『立腰教育のすすめ』
4. 文部科学省(2018)『健康教育における姿勢指導ガイドライン』