歯のケガ(抜けた、欠けた、ぐらぐらする)の対応

こんにちは、仲町歯科医院の義永昌也です。

転倒や事故・スポーツの最中などで歯をぶつけてしまい、歯が抜ける欠けるぐらぐらする といった事が起こることがあります。
当院にもそういった患者さんが来られますが、条件が良ければ抜けた歯・欠けた歯を使うことが出来ます。

「歯のケガ」をしないように注意することも大切ですが、起こってしまった場合の対処法について知っておくと緊急の際に役に立ちます。特に子どもを持つ親御さんには知っていて欲しい内容なので、読んで頂けると幸いです

 

1.頭を打っていませんか?

転んだ、ぶつけた、打った等、外から力が加わって損傷を受けることを外傷と言います。この時、歯だけに力が加わる状況も考えられますが、基本的には頭部や他の部位への衝撃もあると考えられます。
出血が止まらない、嘔吐を繰り返すなどの症状があれば、意識がハッキリしていても早急に医療機関への受診が必要です。

参考:
小児救急 子どもの観察のポイント(頭部打撲)(京都府ホームページより)
顔をぶつけた場合(白クマ先生の子ども診療所 ホームページ より)

また、切り傷や擦り傷は、治っても場合によっては跡になることがあります。歯科医院よりも先に、口腔外科や形成外科での対応が必要になる場合があります。

2.歯が抜けた場合(脱落)

歯と骨の間に「歯根膜(しこんまく)」という組織があります。抜けた歯が助かるかどうかは、「抜けた歯についている歯根膜が生きているかどうか」に掛かっています。
歯根膜歯根膜は乾燥に弱く、口の外では30分ほどしか生きていられません。なので、適切な対応をする事早急に歯医者で元に戻してもらう事が重要です。

歯が抜けた場合の対応
◎ 歯根膜(上のイラスト参照:根っこの部分)は手で触らないようにしましょう。

  1. 地面に落ちた歯は水道水で軽く(数秒程度)洗う
    (長時間や、強く洗うと歯根膜が失活してしまいます。迷った場合は洗わないでokです。)
  2. できるだけ早く牛乳に漬ける
    低脂肪牛乳あるいは無脂肪牛乳、常温よりも冷たい牛乳がより良いそうです。6時間ほど歯根膜が生きていられるという報告があります)牛乳[牛乳が手元にない場合]
    ・口の中に歯を入れておく(唾液で乾燥を防ぐ)

    ・専用の保存液(ティースキーパー「ネオ」®)などに漬ける※乾燥を防ぐと言っても、水道水に漬けるのは歯に良くないです。
  3. 早急に歯科医院を受診する
    歯科医院では抜けた歯を元の位置に戻し(整復)、ワイヤー等で隣の歯と2週間ほど固定します。
    ほとんどの場合、根管治療が必要になってきます。

3.歯が欠けた場合(破折)

歯の破片が使える場合もあります。

破片は水道水で軽く(脱落と同じく数秒程度)洗ったあと、乾燥を防ぐために口腔内(または水)に入れておきます。

脱落(抜けた)なのか破折(欠けた)なのか分からない・迷った際牛乳に漬けて早急に歯科医院へ受診しましょう

歯の破折 術後・破片がない場合は、コンポジットレジン(詰め物)やクラウン(被せ物)での対応になります
・大きく欠けて内部の神経(歯髄)が見えている場合、別の対応が必要になります
・損傷の受け方によっては、将来的に歯が変色したり、腫れや痛みが出てくる事もあります
その場合、根管治療が必要になります

4.歯の位置が変わったぐらぐらする

専門用語で
・入り込んでしまう(陥入
・ずれる(側方脱臼
・ぐらぐらする(亜脱臼
と表現します。

この場合、必要なことは早急に歯科医院を受診することです。
レントゲン等で位置や状況を確認し、位置の修正(整復)とワイヤーで固定を行います

・損傷の受け方によっては、将来的に歯が変色したり、腫れや痛みが出てくる事もあります
その場合、根管治療が必要になります

 

5.まとめ

歯のケガは突然起こります。日頃から適切な知識を持ち、冷静に対処すれば多くの歯が健康を取り戻すことができます。特に、お子さんの歯を守るために、参考になれば幸いです。

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

参考:
知っててよかった! 歯のけが 口のけが(月星光博 著、クインテッセンス出版)
歯の外傷治療ガイドライン(日本外傷歯学会)
歯が抜けた! 歯のケガ どうするの? どうなるの?(神奈川県歯科医師会ホームページ)

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